国内/海外マーケットレポート

投資信託の評価会社、モーニングスター株式会社のアナリストによる各月のマーケットレポートです。

基準日:2018年10月31日

2018年10月のレポート

国内株式日経平均株価、TOPIXいずれも大幅下落、日経平均株価の月間下落幅は10年ぶりの大きさ

 2018年10月の国内株式市場は、日経平均株価が前月末比▲9.12%と5カ月ぶりの大幅下落となり、TOPIX(東証株価指数)も同▲9.42%と大幅に下落した。前半は下落した。米長期金利上昇への警戒感や、米中貿易摩擦の影響が米企業の業績に及ぶとの懸念が高まったことを背景に米国株式が急落したことが波及し、日経平均株価、TOPIXともに7%を超える大幅下落となった。後半も下落した。上海総合指数の大幅下落を受けて中国リスクが再燃したほか、サウジアラビア情勢を巡って中東の地政学リスクが警戒され下落した。結果的に10月31日の終値は、日経平均株価が2万1,920.46円、TOPIXは1,646.12ポイントとなった。日経平均株価の下落幅は月間で2,199.58円とリーマン・ショック直後の2008年10月(2,682.88円)以来10年ぶりの大きさとなり、下落率もBrexit(英国のEUからの離脱)が決まった2016年6月の9.63%以来の大きさとなった。

国際株式NYダウ、DAX指数いずれも下落、米国を震源とした世界株安が広がる

 2018年10月の海外株式市場では、NYダウが前月末比▲5.07%と大幅に下落、ドイツのDAX指数は▲6.53%と大幅安に3カ月連続で下落した。前半は、米国、欧州いずれも大幅に下落した。米国では、米9月雇用統計で失業率が1969年12月以来約49年ぶりの低水準となったことを受け、米長期金利が一時3.24%まで上昇したことや、ムニューシン財務長官の対中為替操作けん制発言により米中貿易摩擦の激化懸念が台頭し、企業業績の先行き悪化懸念が強まった。欧州では、米国の利上げが加速するとの見方から米国株が値を下げたことを受け、欧州株も連れ安となった。後半は、米国、欧州ともに下落した。米国では、市場予想を上回る米企業決算を受けて上昇する場面もあったが、世界景気の先行き懸念や決算を嫌気した大手ハイテク株売りに大幅安となる場面もあるなど、値動きの激しい展開となった。欧州では、10 月のユーロ圏PMI(購買担当者景気指数)が市場予想を下回ったことが嫌気されたほか、米中貿易摩擦への懸念も重しとなった。

国内債券長期金利は上昇、一時約2年8カ月ぶりの水準まで上昇

 2018年10月の国内債券市場は、新発10年物国債利回りが前月末の0.125%から0.130%へ上昇(債券価格は下落)した。前半は、イタリア財政への過度な警戒が一旦和らぎ、さらに、海外市場の金利上昇を受け、日本国債を売る動きが強まって利回りが上昇し、4日には、約2年8カ月ぶりの水準となる0.155%まで上昇した。後半は、日銀が国債買入れの運用の一部を見直すとの観測から上昇する場面もあったが、米国株急落をきっかけとして世界的にリスク回避の動きが広がる中で、月末にかけて国債に買いが向かい、一時0.105%まで低下する場面も見られた。結局、31日の終値は0.130%となった。

国際債券米利回りは上昇、独利回は低下、円は対米ドル、対ユーロともに上昇

 2018年10月の海外債券市場では、米国10年国債利回りは上昇(債券価格は下落)、独10年国債利回りは低下(債券価格は上昇)した。前半は、米国では、9月の米雇用統計で失業率が約49年ぶりの水準に低下したことが米利上げ継続観測につながり、利回りは一時3.24%と約7年5カ月ぶりの水準にまで上昇した。欧州では、ECB(欧州中央銀行)が金融政策を引き締めるとの観測から国債利回りが上昇し、5日には独10年債利回りが4カ月半ぶりの高水準となる0.57%をつけた。後半は、米国では、米株式市場が軟調となったことで低リスク資産としての国債の需要が増大し、利回りは低下した。欧州では、10月のユーロ圏PMIが低水準となったほか、世界的な株安の流れもあり、国債にリスク回避の買いが入り、利回りは低下した。

 2018年10月の外国為替市場では、対米ドル、対ユーロでともに円高となった。前半は、対米ドルでは、米中貿易摩擦の激化・長期化への懸念や世界的な株安を受けてリスク回避姿勢が強まり、円高・ドル安が進行した。対ユーロでは、世界的な株価急落を受け、逃避通貨とされる円を買う動きが強まったことに加え、イタリアの予算案を巡る混乱もあり、円高・ユーロ安となった。後半は、対米ドルでは、米国市場を発端とした世界的な株安を受けて一時111円台まで円高・ドル安が進行したが、10月ADP雇用統計が市場予想を上回ったことから月末にドルが買われた。対ユーロでは、イタリア財政への懸念と英国のEU(欧州連合)離脱を巡る混乱を受けたユーロ売りが優勢となり、円高・ユーロ安が進行した。

REIT海外は2カ月連続の下落、国内は2カ月ぶりの下落

 2018年10月の海外(米国)REIT(不動産投資信託)市場は2カ月連続で下落した。前半は、米国の好調な経済指標を受けて米長期金利が3.2%を上回ったことから資金調達コスト増加への懸念が広がり、下落した。後半は、米長期金利の上昇が一服したことから安心感が広がり上昇したものの、前半の下落分を補えず、月間では下落した。

 2018年10月の国内REIT市場は2カ月ぶりに下落した。前半は、米国株式市場の大幅安を受けた世界的な株安などを背景に投資家のリスク選好姿勢が後退し、下落した。後半は、買い戻しが入ったものの、再度の米国株安で投資家のリスク回避姿勢が強まったことから戻しも限られ、結局月間では下落した。

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