国内/海外マーケットレポート

投資信託の評価会社、モーニングスター株式会社のアナリストによる各月のマーケットレポートです。

基準日:2020年8月31日

国内株式日経平均株価、TOPIXいずれも上昇、企業業績を好感し幅広い銘柄に買い

 2020年8月の国内株式市場は、日経平均株価が前月末比6.59%、TOPIX(東証株価指数)は同8.16%と、いずれも上昇した。前半は、2020年4-6月期決算で、利益が市場予想を上回った銘柄が評価されたことを受けて幅広い銘柄の買いが進んだほか、トランプ米大統領が製薬大手から新型コロナウイルスのワクチンを1億本購入すると発表したことで、ワクチンの普及による経済回復への期待感が国内でも高まっていることから、13日の日経平均株価は2万3千円台を回復した。後半は、17日に内閣府が発表した2020年4-6月期の実質GDP(国内総生産)速報値が前期比年率▲27.8%と戦後最大の落ち込みを記録したことや、28日に安倍首相が辞任の意向を示したことから、国内政治・経済共に先行きが懸念され、いずれも下落となった。

国際株式NYダウ、DAX指数いずれも上昇、経済指標の改善に好感

 2020年8月の海外株式市場では、NYダウが前月末比7.57%、ドイツのDAX指数は同5.13%といずれも5カ月連続の上昇となった。前半は、米国、欧州ともに上昇した。米国では、新型コロナウイルスのワクチンの開発進展が期待されたほか、ISM(全米供給管理協会)が発表した7月の米非製造業景況感指数は市場予想を上回ったことから上昇した。欧州では、7月のユーロ圏PMI(製造業購買担当者景気指数)改定値が速報値から上方修正されたほか、8月の独ZEW景気期待指数が市場予想を大幅に超える上昇となったことから、景気回復への期待が広まり上昇した。後半は、米国、欧州ともに上昇した。米国では、FDA(米食品医薬品局)が新型コロナウイルスの新たな治療法を特別に認可し、経済正常化への期待が広がり景気敏感株が買われ、28日には半年ぶりの高値となった。欧州では、ドイツ政府が25日、新型コロナウイルスの影響により業績低迷が続いている企業へ最大100億ユーロの追加拠出をし、支援策を延長したことなどが好感され、上昇した。

国内債券長期金利は上昇、安倍首相の辞任意向が伝わり先行きの金融緩和政策を懸念

 2020年8月の国内債券市場は、新発10年物国債利回りが前月末の0.010%から0.045%へ上昇(債券価格は下落)した。前半は、日経平均株価が大幅に上昇したほか、新型コロナウイルスのワクチン開発の進展や米経済指標の改善を受けた米長期金利の上昇が国内にも波及し、国内債の売りが優勢となった。後半は、国内の超長期債相場が堅調だったことに加え、日銀の国債買い入れオペ(公開市場操作)の結果から長期債の売りが広がっていないとの見方が強まり、国内債に買いが入る一方で、安倍首相の辞任意向が伝わり、今後の金融緩和政策の先行き不透明感が強まり国内債が売られる場面もあり、ほぼ横ばいで推移した。

国際債券米利回り、独利回りはともに上昇、円は対米ドル、対ユーロともに下落

 2020年8月の海外債券市場では米国10年国債利回り、独10年国債利回りはともに上昇(債券価格は下落)となった。前半は、米国では、ロシア政府による世界初の新型コロナウイルスワクチンの承認を受け、米国でも経済正常化への期待が高まったほか、7月のCPI(米消費者物価指数)が市場予想以上の上昇となったことから、米国債の売りが強まった。欧州では、8月の独ZEW景気期待指数が市場予想を大幅に超える上昇となったことで、投資家のリスク回避姿勢が後退し、独国債利回りのマイナス幅は縮小した。後半は、米国では、23日発表の米失業保険申請件数が再び増加に転じたことで米国債が買われる一方で、FDAが新たな新型コロナウイルス治療法を認可するなどコロナ対策に進展が見られたことで米国債が売られる場面もあり、ほぼ横ばいとなった。欧州では、8月の独Ifo景況感指数が市場予想を超え上昇となったことで、相対的に安全資産とされる独国債に売りが入った。

 2020年8月の外国為替市場では、対米ドル、対ユーロはともに円安となった。前半は、対米ドルでは、米株式市場の好調さが米長期金利の上昇につながり、日米金利差が縮小するとの観測が後退したことなどから、円安・ドル高となった。対ユーロでは、6月の独製造業受注指数が市場予想を大きく超える上昇となったほか、ユーロ圏の景気回復の期待を受け1ユーロ=126円台と、1年4カ月ぶりの安値を付けた。後半は、対米ドルでは、追加経済対策を巡る米与野党協議に進展が見られず不透明感が強まったことに加え、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が低金利政策の長期化を示すとの見方が広がり、円高・ドル安となった。対ユーロでは、8月のユーロ圏PMI速報値が市場予想を下回り、ユーロ圏の景気回復鈍化が懸念されたことなどで、円高・ユーロ安となった。

REIT海外は米長期金利の上昇を受け下落、国内は決算発表から過度な悲観が弱まり上昇

 2020年8月の海外(米国)REIT(不動産投資信託)市場は5カ月ぶりに下落した。前半は、米経済指標が改善したことに加え、新型コロナウイルスのワクチン開発進展の期待が高まったことで、米長期金利が上昇し、相対的に投資妙味が薄まった米国REITは下落した。後半は、8月のNAHB(全米住宅産業協会)住宅市場指数が1998年12月以来過去最高の水準となったほか、7月の米新築一戸建て住宅販売件数が市場予想を上回る増加となり、住宅関連指標が軒並み好調となったことなどから米国REITは上昇した。

 2020年8月の国内REITは3カ月ぶりに上昇した。前半は日本リテールファンド投資法人の業績計画が修正され配当の維持が示されたことが、商業系REITの大幅に反発につながったことなどで国内REITは上昇した。後半は、FTSE社のグローバル株式指数へのJ-REITの組み入れが決定し、21日には組入銘柄のリストが発表されたことなどが好感され国内REITは上昇した。

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